
ポータブル電源を車の走行中に充電する方法
2019年の台風19号の際、久喜市では避難先の不足という現実に直面しました。近年、大規模災害が頻発しており、日頃からの備えがますます重要になっています。その一つとして、車中泊が注目されるようになって久しいところです。
車中泊には、①プライバシーを確保できる、②感染症から身を守る可能性が高い、といったメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。特に、車中泊をするには事前に車内環境を整えておく必要があるため、災害対策への高い意識が求められます。そこで、今回は車内での電力確保の方法として、ポータブル電源を車の走行中に充電する方法をご紹介します。
私は年に1~2回ほどキャンプに行き、車中泊をしています。その際、必ずフル充電したポータブル電源を持っていくのですが、帰宅する頃にはバッテリー残量がほぼゼロに近くなってしまいます。一泊なら問題ありませんが、二泊目以降を考えると何らかの対策が必要だと感じていました。
私のように、「ポータブル電源は持っているが、災害時に充電する方法が課題」という方も多いのではないでしょうか。
ポータブル電源を充電するには、太陽光発電などの自然エネルギーを活用する方法があります。しかし、発電効率が悪く、季節・天候・時間帯に左右されやすいという課題があります。また、エンジンをかけて車のシガーソケットから充電する方法もありますが、給電能力が低く、ポータブル電源の充電に5~10時間もかかるため、あまり現実的ではありませんでした。
そこで今回、車の走行中にポータブル電源を充電できる仕組みを導入してみました。
この方法では、車のバッテリーの余剰電力を利用し、「オルタネーターチャージャー」という機器を通じてポータブル電源に給電します。これにより、最大800Wの出力が可能となり、シガーソケット充電よりも8倍速く充電できるのが特徴です。決して安価な設備ではありませんが、いざという時の備えとして非常に有効だと考え、導入を決めました。
最も苦労したのは、オルタネーターチャージャーの配線コードが想像以上に太かったことです。エンジンルームから車内に配線を通すため、ステップドリルで穴を開けるという作業が必要でした。それ以外の接続は比較的スムーズに進みました。
この方法は、他の充電手段に比べて圧倒的に短時間で充電できるため、特に医療的ケアを必要とする方がいる家庭の災害対策としても有効です。実際に、医療機器を使用する友人にも、この方法を備えの選択肢の一つとしておすすめしました。