
議論されるべき防災公園および管理棟の本来機能とは?
栗橋地区で整備が進められている防災公園および管理棟について、令和7年定例会の一般質問で取り上げました。現時点で決まっている整備内容と、一般質問を通じて要望した点について報告いたします。
現在決まっている整備内容
本施設は、利根川流域に位置する栗橋地区において、大規模水害や地震等に備える地域防災拠点として計画されています。久喜市は、防災公園および管理棟について、次のような役割を担う施設であることを示しています。
・災害発生直後における地域住民の一時避難場所
・大雨・台風時の水防活動の拠点
・利根川の治水の歴史や防災を学ぶ展示・学習機能
・平常時には地域住民が利用できる施設としての活用
利根川沿いにある施設ですので、特に水害時にはこの施設に逃げる前に広域避難すべきですが、逃げ遅れた方など、いざという時の一時避難場所としての収容人数は約2,000人を想定しているとのことで、栗橋地区に住む住民の皆さんにとっては、非常に重要な施設ということができます。
なお、現在は実施設計が進められており、今後、圧密沈下が落ち着く令和8年度以降に、建設工事および公園整備が段階的に行われる予定となっています。
一般質問で指摘・要望した主なポイント
久喜市では現在、公共施設個別施設計画に基づき、公共施設の縮減が進められていますが、その中で、栗橋中央コミュニティセンターが2029年までに除却される計画に伴い、栗橋行政センターおよび防災公園・管理棟へコミュニティセンター機能を移転する方針が示されました。このことにより、「高台にコミュニティセンター機能が移ると、日常的には利用しづらいのではないか」といった声が聞かれています。
一方で、栗橋地区における最重要課題の一つは防災です。
本来、防災拠点として機能する施設が整備されることは、地域にとって大きな安心につながるものであるはずなのに、平常時の利用面への懸念が先行することで、防災公園そのものに対して誤解や否定的な印象が生じている状況は、非常にもったいないと感じておりました。
そこで、防災公園の本来の防災機能についてもっと理解を深め、より良い防災拠点として整備していく必要があると考え、一般質問で取り上げるとともに、以下の点を久喜市に対して要望しました。
① 高台という立地を生かしたヘリポート機能
当該地は堤防上にあるため、周辺よりも標高が高い場所にあります。この特性を生かし、災害時にヘリコプターが離着陸できるスペース(ヘリポート)として活用できる設計とすることを要望しました。医療搬送や物資輸送、情報収集など、空からの支援は大規模災害時に極めて重要であり、初動対応力を高める観点からも不可欠な機能だと考えるからです。
② 国道4号沿いという立地を踏まえた大型車両対応
防災公園は国道4号線に近接しております。埼玉県は、大規模な地震等の災害が発生した場合に救命活動や物資輸送を行うため、重要な路線を緊急輸送道路として定めており、国道4号線は、「第一次特定緊急輸送道路」として指定されています。自衛隊車両や緊急支援車両が通行可能な幹線道路に面しているという大きな利点があるのです。
この立地を最大限に生かすため、
・大型車両が進入・転回できる動線
・資機材搬入を想定した出入口の幅や構造
などを考慮した、入口および園内動線の設計とするよう要望しました。
③ 2,000人規模の避難を想定した実効性の確保
避難収容人数として約2,000人を想定している以上、
・トイレや備蓄
・情報伝達手段
・雨天・寒暑対策
などについても、実際の避難行動を想定した実効性ある計画とするべきであること、それらを防災訓練などに取り入れるべきであることを要望しました。
防災公園を「本当に使える防災拠点」にするために
防災公園・管理棟は、つくること自体が目的ではなく、災害時に命を守る拠点として機能することが最も重要であるということです。
・高台であること
・国道に近接していること
・多くの人を受け入れる想定であること
これらの条件は大きな強みであり、それを設計や運用にどのように反映させるかが、今後問われてきます。今後も、整備の進捗だけでなく、本来の防災目的が十分に果たされているのかという視点で、引き続き議会の場で確認・提言を行っていきます。