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現在、解散総選挙が確実視され、国会では年度内の本予算成立が難しい情勢となっています。そのため、新年度は暫定予算でのスタートとなる可能性が高まっています。

これまでの予算審議を通じて、国の予算が地方の予算に与える影響の大きさは理解しているつもりでしたし、国政の動きが地方自治体の財政運営に直結していることも実感してきたつもりです。しかし今回あらためて、「地方自治体の行財政の前提となる国の予算が“暫定”となった場合、地方議員はどのような視点で予算審議を行うべきなのだろうか」という素朴な疑問が湧いてきました。

東京のように国の交付金への依存度が相対的に低い自治体を除けば、ほとんどの自治体は国の制度や予算を前提に行政運営を行っています。久喜市も例外ではなく、国の補助制度や交付金、制度設計の方向性が、市の予算や事業計画に大きく関わっています。国の方針が定まらない状況は、そのまま地方行政の不確実性につながることは容易に想像がつきます。

一方で、解散総選挙は、政治の方向性を国民の意思で整理し直すための民主的なプロセスでもあります。短期的には不透明感を伴いますが、それが中長期的な政治の安定につながるのであれば、前向きに受け止めることもできる重要な選択であるとも感じています。

そのような状況の中で迎える今年の久喜市2月議会の予算審議は、例年以上に重い意味を持つものになるのではないかと想像しています。そこで、国が暫定予算となった場合、久喜市の予算審議にはどのような影響が生じるのか、また私たち議員はどのような点に注意して予算審議すべきなのかについて、自戒を込めて整理してみました。

国政の不確実性が、地方予算に与える影響

調べていく中で分かったのは、国の方針が確定しない場合、地方自治体の当初予算もまた、将来の決定を見据えた「仮置き」の性格が強くなるということです。形式上は当初予算として成立していても、実際には補正予算や繰越明許費、債務負担行為といった予算編成上の制度を活用し、後から調整することを前提とした構成にならざるを得ないケースが多くなるのではないかと想像しています。

これらの制度は、単年度予算と事業実態とのズレを埋めるための重要な仕組みであり、国政が不安定な中でも地方行政を止めないための現実的な「調整弁」となります。その一方で、事業の全体像や将来負担が見えにくくなるという側面も併せ持っています。

だからこそ、単に「いくら計上されているか」だけでなく、その財源の前提は何か、年度内に実施できる見込みがあるのか、将来年度にどの程度の負担を残すのかといった点まで含めて、丁寧に確認していく必要があるとだろうと感じています。

国の制度を活用した新たな事業をどうチェックするか

12月末に閣議決定された国の予算の中には、交付金や補助金の制度設計が今後具体化される事業も少なくなさそうです。部活動の地域移行、給食費無償化、子育て世帯への支援策、脱炭素関連の設備導入支援、デジタル化推進事業など、国の方針次第で補助率や対象範囲が変わる可能性もあるのだろうと想像しています。

国の予算が暫定となった場合、こうした事業は、制度の詳細や財源の裏付けが十分に固まらないまま、地方予算に計上される可能性もあります。実務上やむを得ない面もありますが、今回の審議では、国の制度をどこまで前提としているのか、市の財政運営が厳しい中、市単独での財源負担はどの程度見込んでいるのか、国の制度内容が変更された場合に事業は継続できるのか、将来年度にどの程度の財政負担が残るのかといった点を、確認していきたいと考えています。

特に、小学生の給食費無償化は国の負担で実施することが決まっている中、久喜市は中学生までの無償化をする方針を示しています。これを実現するのかは、今回の予算編成の中でしっかり確認していきたいと思います。また部活動の地域移行についても、拡充された国の予算をどのように活用するのかなど、国の制度設計が暫定であることを前提に、どのような考え方で予算計上しているのかは、現段階で強い関心を持っているところです。

国の交付金がどの程度見込まれているのか、市の一般財源の持ち出しはどこまで許容されるのかといった点を丁寧に確認していくつもりです。

不確実な時代にこそ問われる、議会の役割

このように、国の制度や予算が流動的であるほど、地方議会の審議は難しさを増します。だからこそ、国の方針変更によって事業内容や財源構成がどのように変わり得るのか、市として代替策を用意しているのかといった視点を持ちながら審議することが、これまで以上に求められているのだと思います。

また、補正予算に過度に依存する運営が常態化していないか、議会の関与が形式的なものになってしまっていないかという点も、注意深く見ていかなければなりません。予算審議は、単なる数字の確認作業ではなく、市民生活をどう守るのか、将来世代にどのような責任を残すのかを考える場なのだと、改めて感じています。

国政の安定は、地方行政の安定に直結します。解散総選挙を経て、国の政治が早期に安定し、持続的な政策運営が可能となることは、久喜市にとっても大きな意味を持つはずです。その過渡期にあっても、市民生活を止めないために、そして将来に過度な負担を残さないために、地方議会には冷静で丁寧な予算審議が求められています。今年の2月議会も、新たな学びを得ながら、責任を持ってしっかりと向き合っていきたいと思います。

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