久喜市の公共施設縮減計画の課題を取り上げた一般質問動画が公開されました
一般質問の動画が公開されました。
今回の一般質問では、以下の3つのテーマについて取り上げました。
(1)公共施設の適正配置に向けた提案
(3)南栗橋8丁目周辺の開発進捗と課題整理
今回も、特に(1)で久喜市が長期的に取り組むべき重要課題の一つである 「公共施設の縮減計画」 を中心に質問を行いました。
ベテラン議員からのヤジへの対応について
今回も、久喜市民全体の利益を考えて質問しましたが、質疑の最中に某ベテラン議員から心外なヤジが聞こえてきたため、名前をあげて本人にも伝わるように自分の本意を述べました。(49:49あたりの場面です)
その時のことは、以下の活動報告にも書いております。
公共施設の縮減計画が進まない問題
さて、本題に入ります。全国的に、高度経済成長期に建設された公共施設が一斉に老朽化していますが、人口減少が進む中で、今後これまでと同じ規模の施設を維持し続けることは、財政的に難しくなっています。
このため久喜市でも「公共施設等総合管理計画」および「公共施設個別施設計画」に基づき、施設の統廃合や縮減を進める方針となっていますが、残念ながら計画通りには進んではいません。
そして今、この計画の根底が覆される危機に直面しています。というのも、第一期(2016〜2029年度)に除却予定だった東町集会所について、施設を使っている地域住民の強い要望活動により、久喜市が存続する方向へと方針を変更しようとしているのです。
しかし、このような前例を作ってしまうと、今後他の除却予定施設でも存続運動が起こり、計画そのものが破綻しかねないため、今回の市長判断に対しては反対の意見を唱えています。いま方針を変更することが、多くの市民にとっての最適な判断だとは、どうしても思えないのです。
計画通りに進まないことによる財政的影響と市民の負担
また、公共施設の縮減が進まないことによる財政的影響もすでに現れはじめていることを、市民の方には知ってもらいたいと思います。
今回の一般質問で、公共施設の縮減によるコスト削減効果は、現時点の見込みで、総額1,647.4億円、年平均47.1億円になることが明らかになりました。
当初の予定では、総額1,732.3億円、年平均49.5億円だったので、2016年から2025年まで、公共施設の縮減が計画通りに進まなかったことによる損失額は、総額で84.9億円、年平均で2.1億円にのぼるというわけです。
今後も公共施設の縮減が進まなければ、市民の税負担が増え続けていくということになります。すぐに増税されるということではないものの、必要な市民サービスが提供されなくなったり、地方債などの借金を増やし、負担が先送りされたりすることになるのです。
地域間の公平性の課題
また、久喜市は1市3町の合併から15年が経ちましたが、いまだに地域間の公共施設の扱いには格差があることもわかりました。
現在、久喜市内のほとんどの集会所は、住民が支払う自治会費などによって維持管理されています。しかし、久喜地区には市が税金で維持管理している集会所が6箇所残っているんです。つまり、その地域に住んでいない市民(久喜地区の一部、菖蒲、鷲宮、栗橋地区に住む方)にとっては、自分の住む地域の集会所の費用をポケットマネーで支払っているのに、久喜地区にある6箇所の集会所の維持管理費用も負担を強いられているわけです。
私は議員になってからこの事実を知りました。集会所のある地区に住んでいる方を悪く言いたいわけではありません。しかし、明らかに税負担の公平性を欠いており、久喜市内の集会所の維持管理は、すべて地元管理に統一し、地域格差を早く改善することが重要だと言いたいのです。
解決策としての「学校開放」の活用
一方で、集会所を除却することになれば、地域のコミュニティ活動の場をどう確保するかが課題となります。そのため、私は学校施設を活用した「学校開放」の拡充を提案し続けています。
現在、久喜市では体育施設のみに限定して学校開放を行っていますが、全国には地域活動全般に学校を開放している事例はたくさんあります。
学校開放のルールを拡張し、自治会活動の場としても活用できるようにすることで、公共施設の縮減を進めつつ、市民のコミュニティ活動の場を確保することが可能になるはずです。セキュリティ面や管理運営面の課題はありますが、次回以降の一般質問で、全国の事例を取りあげながら、具体的に提案をして行きたいと考えています。
※一般質問終了後に、以前よりお世話になっている前久喜市議会議員の岸輝美さんからお電話をいただき、過去から岸輝美さんが取り組んできたお話や、習志野市の先行事例のお話などを伺いました。習志野市の事例は次の議会までに見学に行ってみたいと考えています。
「最大多数の最大幸福」の考え方
イギリスの哲学者 ジェレミー・ベンサム は、「最大多数の最大幸福」という思想を提唱しました。これは、 できるだけ多くの人にとって最も利益となる決定を行うことが善であるという考え方です。
公共政策の全てをこの考えに当てはめられるわけではないことはわかっていますが、公共施設の縮減計画は、この考え方に基づいて進め、特定の人の利益よりも、市民全体の利益を優先すべきだと考えています。
そして「今」だけで判断するのではなく、「未来」の世代が理不尽な負担を背負わされることのないように、いま正しく判断して動かなければならないと思うのです。なぜなら、今後の人口ピラミッドの変化を考えたら、ただでさえ、将来負担が大きくなると思われる子どもや孫の世代に、これ以上大きな負担を残せないですから。
ご意見を募集します
今回は、代替え施設として学校を提案しましたが、私の意見がすべて正しいとは限りません。例えば、地域で増えている空き家を上手に地元の集会施設として活用するようなケースだってあるかもしれません。
誰かを批判するような意見はお控えください。ぜひ皆さんがご存じの解決策に関する情報や、ご意見・アイデアをお聞かせください。参考にさせていただきながら、市に提案していきたいと思います。
以上が今議会での一般質問のご報告となります。久喜市にお住まいの方はもちろん、他の地域にお住まいの方にとっても、公共施設の適正配置をどう進めるべきかを考えるきっかけになってもらえたら幸いです。
ご意見はこちらから→ https://forms.gle/b1oofhJD5AbowNet7
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