GIGAスクール構想をめぐる現状と今後に向けた取組について
久喜市では、全国に先駆けて「一人一台端末」の更新を進めるとともに、授業においても積極的に端末活用を行ってきました。児童生徒の学びの中にICTを取り入れる取組は着実に進んでおり、素晴らしい成果を上げていると感じています。
一方で、GIGAスクール構想の第1期においては、端末の故障や破損が多く発生し、一部の児童生徒が一時的に手元に端末を持てない状況が生じるなど、先行自治体であるがゆえに、全国に先駆けて課題が表面化しました。
こうした状況を受け、久喜市では令和7年度当初予算において「公立学校情報機器整備事業費補助金」を活用し、今年度中に一人一台端末の更新を行うこととなりました。令和8年3月末までには端末の入れ替えが完了すると伺っています。そして現在は、市の担当課の方と意見交換を重ねながら、現行はまだ十分に対応しきれていない課題の洗い出しを進めています。
市の担当課との打ち合わせの中で整理された主な課題は、以下のとおりです。
まず一つ目は、端末を十分に活用するための学校ネットワーク環境の更改・増強です。学校の一人一台端末はクラウド利用を前提としており、安定したネットワーク環境は学習インフラとして欠かせません。多くの自治体では令和2年度にネットワーク整備を行っていますが、通信技術の進展に伴い、データ通信量は年々増加しております。以前に比べて動画の需要も上がっており、環境の更新や増強が必要になることは明らかです。GIGA第1期と同様、国の補助による支援が求められています。
二つ目は、学習者端末の修繕費の問題です。GIGA第1期では故障や破損が多く、本市では故障・破損率が約25%に達しました。今年度の予算による端末更新では、堅牢性の高い端末を選定し、保護カバーを付属させるなどの対策を講じています。また、児童生徒数の15%にあたる1713台を予備機として確保していますが、故障や破損の状況によってはまた4年後・5年後には予備機が不足する可能性もあります。現在、端末の修繕費は市の一般財源で対応していますが、自治体の負担が大きく、修繕に対しても新たな補助制度の創設が必要であると考えられます。
三つ目は、次期以降の端末更新に対する補助です。GIGAスクール構想は国策として始まり、現在では一人一台端末とクラウド環境が、鉛筆やノートと並ぶ学習の必須アイテムとなっています。GIGA第2期では、第1期に近い補助制度により必要な機器を整備することができましたが、第三期以降も、市町村が単独で更新を続けていくことは困難であり、引き続き国による支援が不可欠です。
そのほかにも、私がこれまでの議会での予算審議、そして学校の先生や保護者の皆さまと行った意見交換等の中で、各学校へのICT人材の配置や教職員の育成、汎用クラウドツールのライセンス費用(例えばMicrosoft 365 EducationやGoogle Workspace for Education等)の継続的な負担、小学校低学年における端末の重さ、学習机の狭さによる安全面の課題、そしてChromebook中心の環境が将来の進学や社会との接続に与える影響なども、課題として認識しています。
これらの課題に対し、国の令和7年度補正予算、そして本日中に閣議決定される令和8年度当初予算において、どこまで制度化が図られるのかをまずはしっかり確認してまいります。
https://www.mext.go.jp/content/20251117-ope_dev02-000037774_2.pdf (参考)令和7年度⽂部科学省関係補正予算事業別資料集
久喜市は、GIGAスクール構想における全国的な先進事例の一つであり、今後は全国の多くの自治体が同様の課題に直面することが想定されます。GIGA第2期、そして将来の第3期を見据え、国の動向を見ながら、課題に対する対策を自治体がどこまで取れるのかを整理した上で、必要に応じて久喜市議会から提案してまいりたいと考えています。
引き続き、子どもたちの学びの環境がより良いものとなるよう、現場の声を大切にしながら取り組んでまいります。
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